『Iターンで島に来た奴らは勝手なことばかり言うからウザい』

こんにちは。いおんです。

見事にタイトルに釣られましたか?笑

 

あえて気を引く言葉をタイトルにしましたが、実はこの言葉、ぼくが島の人から直接聞いた言葉です。

ぼくに向けられた言葉ではなかったのですが、聞いたときは心がザワッとしましたし、今も心に残っている言葉です。とはいえ、島の人の言うこともIターンで来ている人の気持ちも分かるなー、と思うので今日はそんなことについて書いてみます。

シェアハウスに住んでいたときの話

少し違う話をします。ぼくは東京にいたとき、シェアハウスに住んでいました。

一軒家を友達5人でシェアして住んでいたこともあるますし、安いアパートに2人で住んだり、シェアハウス用の物件に住んでいたこともあります。いろんなタイプのシェアハウスを経験していました。

1つ目のシェアハウスなんて、ぼくの部屋は2階だったのですが階段と繋がっており、2階に住んでいる人はお風呂入りに行くのにぼくの部屋を横切らないといけない作りでした。なぜそういう設計か謎でしたが、特に気にせず住んでいました。

こんな感じで細かいことは気にしないぼくなので、他のシェアハウスでもうまくやっていけるだろうと思っていました。

3つ目のシェアハウスに住んでいたときのことです。

そのシェアハウスは、シェアハウス用の物件でできたばかりだったので新しく、設備がとても綺麗でした。共同で使えるキッチンが広くて綺麗で、リビングも快適、屋上もある!4階建てでしたがぼくは1階の初めての住人で、しばらくは広いスペースを1人で使っていました。

はじめは1人で使っているからいいんです。でも人が来ると違う。使い方が変わってきます。たとえば、キッチンは使い終わったら使った人が綺麗にしておこうと決めておきます。でも、人によって”綺麗”の意味は違う。

ぼくは食器を洗い、キッチンに飛んだ水は全て拭き取ったら”綺麗”だと思っていた。

でも人によっては洗い物を全て終わらせたら”綺麗”だし、他の人だと排水溝の汚れをキッチンハイターで落としてやっと”綺麗”だと感じる。

こういうことって、人がいて初めて分かるんですよね。自分の中で当たり前になっちゃってるから。他人と住んでみて、比較することで自分の当たり前が他人にとっての当たり前とは違うことが分かってくるんです。

キッチンの使い方くらいならちゃんと話し合えば解決するんですが、もっと大きなトラブルになったことがあります。

新しくシェアハウスに住むことになった人がいたんですが、その人が全くルールを守らない。先に住んでいた住人が決めたルールを一切守ろうとしない。

一度、キッチンを使ったあとに洗い物をしていなかったことがあったんです。「次の日は別の人が使うから、その日中に綺麗にしておいてね。」と伝えたのですが翌日になってもそのままで仕事に行ってしまう。

注意したら「じゃあもうキッチンは使いません。」と・・・

話し合いの場を作ってもそこに参加することもないし、一緒に住んでいる人と関わろうともしない。ぼくはシェアハウスに人との共同生活を楽しみに来ていたのに、その人は何が目的なのか全くわからない。

結局、その人はシェアハウスを出て行くことになりました。

シェアハウスに住むことと移住は似ている

このシェアハウスの話って、島に移住してくることに似てると思ったんです。

きっと、島に住んでいる人で移住して来た人と喧嘩したい人なんていません。島の人も移住してくる人も仲良くやりたいのは当然のこと。

でも、同じ集落に住んでみると自分にとっての”当たり前”とか、最低限やってほしいこととか、触れられたくない領域が見つかってくるんですよね。

同じ集落に住んでいたら、集落行事には参加してもらわないと困る。

ここでは若い者が公民館での飲み会を準備するのが当たり前だから。

仲良くするのはいいけど、若いからってなんでも任されると大変だ・・・

だんだんすれ違いが大きくなっていくとお互い気持ちが離れて行って、タイトルのような愚痴がでてきちゃうんですよね。

ここで大事なのは対話だと思っています。お互いそっぽ向いてても距離は縮まらないのでね。どちらかが相手の方向いて寄り添い、自分の主張をするのではなくて相手のことを理解するため、お互いの違いを明らかにするための対話が必要だと思います。

移住する人にアドバイス

島に移住したい人の動機を聞くと、南の島でのんびり暮らしたいと思ったからと返ってきます。

でもね、島は思った以上にのんびりできません。特に自然溢れる集落に移住したら、その場所の行事などがありどんどん駆り出されます。島では60代はまだまだ若者です。80を超えたおじいちゃん、おばあちゃんが集落行事の準備をしています。

そこにはその土地でずっと住んできた人の生活があり、文化があります。ただ景色が綺麗だからとか、自然が素晴らしいからという理由だけで移住してしまうとうまくいかないケースが多いです。

島の人が培ってきた暮らしに興味を持ち、一緒に体験させてもらいにいくような気持ちで移住するのが良いと思います。

幸せの基準は人によって違う

島は昔ながらの伝統が今も残っているとても素晴らしい場所です。でも、島に移住してくる人が皆、伝統や文化に興味があるかといったらそうではない。島に求めている部分は人によってそれぞれです。

価値観が多様化しているこの時代、幸せのあり方も人によって違います。

島にとっての当たり前が、今の時代には合わないことだってきっとある。古き良き伝統を守ることも大事だけど、時代や人々の考え方に合わせて柔軟にアップデートしていくことも大事だなと思います。

自分の正義をただ主張していても事はなかなか前に進みません。大事なのはきっと、違いを理解し認めること。その上で一緒に前に進めたらいいな、と思います。