南の島は時代の最先端!沖永良部島の酔庵塾がオモシロい!

沖永良部島に行った一番の目的は、酔庵塾というセミナーに行くことでした。

 

酔庵塾とは、東北大学の教授である石田秀樹さんが沖永良部島で開催している塾で、今回で第26回目になります。

 

石田先生について詳しく知りたい人は、こちらの本を読んでください。

 

地球温暖化の現状

今回の酔庵塾のテーマは「あったかい冬は嬉しいことなのだろうか?」でした。

 

内容は主に地球温暖化について。

地球温暖化というのは、人間活動の肥大化によって起こっています。温暖化は二酸化炭素が原因と言われますが、他にも温室効果ガスはあります。メタンや一酸化二窒素など。そのほとんどが人間活動が大きくなることによって排出量が増えています。

 

ここ数年で地球の温度は0.85℃上がっており、1〜2℃上昇するとサンゴ礁が白化し、異常気象が増加します。2〜3℃上昇すると海面が上昇して、多くの地域が沿岸の洪水で被害が拡大します。3〜4℃上昇すると、海洋大循環が停止し、気候システムの混乱が発生し、もう引き返すことができなくなり、気候崩壊が起こります。これはまさに、映画の「デイ・アフター・トゥモロー」と同じ状況になります。

 

 

このままいくと、2040年には日本近海のサンゴはすべて死滅すると言われています。日本の真夏日の日数はどんどん増え、30℃以上の日が2100年には年間の半分を超えます。また、奄美大島や沖永良部地方では、温暖化になると台風の発生が増えます。台風は海面温度が26℃になると発生すると言われていますが、1月の時点で表面温度は24℃に達しています。

 

それだけではありません。りんごやブドウ、みかんは色が変わらなくなり、お米は白く濁った未熟粒しかできなくなります。そして、これは全て人間活動が肥大化してるから起こっている状況なのです。

 

 

温暖化にどう対応すればいいか?

 

今、世界では様々な方法が考えられています。

気候を人工的に操作しようとするジオエンジニアリングの国際会議では、硫酸エアロゾルを成層圏に注入するというアイデアが注目されています。硫酸エアロゾルとは火山のときに噴出するチリで、気温を下げる効果があります。これを成層圏に注入しようというアイデアです。

 

ただし、硫酸エアロゾルが空気に舞うと、空が赤くなります。

 

(ナショナルジオグラフィック日本版より ※写真はイメージです)

 

そして、空が赤くなったら人間にどういう影響があるのか、という議論が世界ではされているようです。

すべてが対処療法的な解決策で、根本からの解決になっていないと酔庵塾の石田先生は言っていました。

 

では、どうすればいいか。

 

それは、ライフスタイルを変えること

 

市場ではLEDライトやエコカーなど、環境に配慮した製品が出回っています。徐々に普及していますがエネルギー消費量は大きく変わっていません。だけど、たとえばエアコンの利用を控えたり、旬の野菜を食べるようにするだけで大きくエネルギー消費量が変わります。

 

家族で食事をしたあと、それぞれの部屋に戻ってエアコンをつけるのではなく、家族の団欒を楽しむだけでエネルギー消費量は20%削減できます。ハウスで作られた野菜ではなく、旬の野菜を食べるようにしたらエネルギー消費量は5分の1で済みます。

 

少しずつ自分たちのライフスタイルを変えること、大量消費の便利さではなく、ちょっとした不自由さや不便さを自分の知恵や技を使って乗り越えることで地球温暖化に歯止めをかけられると石田先生は話していました。

 

沖永良部島が面白い!

この考え方や、新しいライフスタイルを広めようとして沖永良部島はオモシロい取り組みをしています。

 

まず、今回参加した酔庵塾

そして北海道の星槎大学のサテライトカレッジを、沖永良部島で始める動きもあります。

 

僕がもっともオモシロいと感じたのは、シマ塾を開講しようとしていることです。

シマ塾とは、自然の中で心豊かに暮らす「技」や「知恵」を島のおじい、おばあから学び、「自然」を中心に密接に関わりのある「食」「集い」「楽しみ・あそび・まなび」など島暮らしを楽しむための講座を主に実習形式(フィールドワーク)で行う塾です。

 

「さすてなぶる・あいらんど」を目指して沖永良部島はたくさんの取り組みをしています。

未来に向けた、時代の最先端の取り組みをしている沖永良部島。

一度遊びに行ってみませんか?