前回の記事でもお話しましたが、奄美大島はフリーランスが最も働きやすい島化計画というものを進めています。ホームページも作られていて、市をあげてこのプロジェクトに取り組んでいます。
奄美市長は次のように述べています。
先人から守り受け継いできた豊かな自然や島唄等の奄美独自の伝統文化などをもつ、世界自然遺産登録を目指す奄美市では、外海離島の不利性を克服する産業として、情報通信産業を重点分野に位置づけ各種施策に取り組んでいるところです。今年度、奄美市市制施行10周年を迎え、これからも地方創生をしっかりと捉え、情報通信技術を活用した新しい働き方をランサーズ株式会社と共に創出し、仕事誘致、定住促進ならびに子育て支援に積極的に取り組んでまいります。
(引用:https://www.lancers.co.jp/news/pr/9661/)
フリーランスは地域創生につながる
これは、僕が去年与論島に行って実際に感じたことです。
インターネットの環境があればどこでも仕事ができるフリーランスは、地域創生に大いに貢献すると思います。
お金というのは、よく血液に例えられます。人間の体を巡る血液のように、国や地域にお金が流れている。その血液の循環がよければよいほど、経済は回っていると言えます。
今、地方の財源のほとんどは国からの地方交付金で賄っています。それは奄美市が公表している資料でも分かります。
この資料からもわかるように、収入のほとんどは国や県からの補助金や交付金です。つまり、先ほどの血液の例でいうと圧倒的に血液の量が足りていないのです。だから、地方は観光に力を入れたり、名産品を作ることで都市部のお金を地方に流そうとするのです。
インターネットが広がり、ネットを介せばどこの商品でも手に入る時代です。地元のスーパーよりもAmazonや楽天で買うことが増え、より地方から都市部へ流れるお金が増えています。どんどん地方から血液が流れ出て行ってしまう。
そんな中、フリーランスは都市部の仕事を地方で行う人です。仕事の報酬は地方にいる人の元に入る。そしてその人が地方で消費をし、税金を払う。人口減少問題の解決にもつながるし、地方の血液を増やすこともできる。だから僕は、フリーランスは地方創生につながると思うのです。
奄美大島では何をやってるの?
では、奄美大島ではその計画のために何をやっているのか。今日は市役所に行って話を聞いて来たので、そのお話をします。
まず、島では2020年までに200人のフリーランスを育成し、50人以上のフリーランスの移住者を呼び込むことを目標にしています。前回の記事で書いた、コワーキングスペースの設置もその一環です。
他には、フリーランスのための勉強会であるフリーランス勉強会や、フリーランスを集めたフリーランスカフェの実施、ホームページでのフリーランス紹介などを行なっています。
島で中心になって行なっているのは、勝眞一朗さん。ランサーズやGMOペパボ、PIXTAなどの企業と提携を結んで進めています。また、島の中心となるサイトを作成しているしーまブログとも提携しています。
主なフリーランスの職種としては、ライター、フォトグラファー、グラフィックデザイナーです。ライターはブログで記事を書き、フォトグラファーは写真をPIXTAで販売、デザイナーはランサーズから仕事を取っているようです。GMOペパボとは、サービスのひとつであるハンドメイドマーケットサイトのminneと提携しているので、ハンドメイドで作ったものをサイトで販売することも行なっているようです。
実際のところはどうなの?
島のフリーランスを集めて、Facebookで奄美フリーランス協会というページを作ってコミュニティを作ろうとしています。
しかし、僕も入れてもらったのですがまだイベントの告知がほとんどで交流はまだありません。フリーランスカフェも今はあまり開催されていないようです。また、フリーランス寺子屋も実際に参加した人に聞いてみると、年齢層が高くあまりフリーランスの人といった印象ではなかったようです。
これはあくまで僕の今のところの感想なので、正確なことはまだこれからです。ですが、まだまだ発展途上な感じは否めません。市役所の人も「本当はコミュニティを作って仕事の紹介とかをしあいたい。」と話していましたが、現状はまだまだ遠い印象でした。
ただ、取り組みとしてはとても面白いと思いますし、とても可能性を感じています。まだまだ発展途上だからこそ、自分も関われる範囲があるんじゃないかと今から楽しみにしています。まず、仕掛け人の勝さんとは今月中に、しーまブログの人とは来週中に会えることになったので、また引き続きレポートしていきます!